SAINTあとがき




まずはこの話を読んで下さり、尚且つあとがきまで来てくださり、ありがとうございます。


分っている方もいるでしょうが、この話は以前入っていたサークルの会誌に連載していたものに、加筆したものです。
web漫画として公開するのに、どういう形式にしたものやらとても迷いました。自分のPCではほぼスクロールなしで見れるのですが、訪れている人たちはどうなのだろう?とか、字が読みにくいんじゃないだろうか? 縮小がきつくて線、トーンがとんでるから見辛いんじゃ?とか・・・



「SAINT」は元々は一枚のイラストから生まれた話でした(そのイラストはもう残ってないですが、シモーヌ、セイント、悪魔が描いてありました。)そこから、嫌いなんだけど、気になる。正反対だから反発する、でも惹かれる。そんなイメージが膨らんで話が出来ていきました。初期の頃は、セイントは男で出番も多く、マリヤもシモーヌと対立するシーンがあったりしたんですが、蓋を開けてみたらこんなんでした。

でも最初から終わりだけは決まっていて、変わることはありませんでした。シモーヌは嘆きの、泣いている子供。そのイメージでずっと描いてました。
マリヤは私的「マグダラのマリア」のイメージ。悲しみも痛みも包み込んで癒そうとするひと。人の為に行動するのが存在価値、のような。
セイントは中立。シモーヌが過去の自分に重なって見えてる・・・という風に。



この話のラストは、あまり良く受け止められないかと思います。バットエンドのつもりはありませんが、全然ハッピーエンドではない終わりですから。ただ作者としてはこの終わりしか頭になかったし、ここに辿り着くための物語でした。使わなかった設定や、エピソードもありますが、もう漫画として描くことはないと思います。

「SAINT」は今まで描いてきた漫画の中で一番痛いというか、重いというか、シリアスな漫画でした。以前、「あんたの描く話は暗くなりがちだから(ほのぼのした所を指して)こんなシーンが多いといいよね」と言われたことがあって、そういうイタ重い漫画はは控えめにしてきたので、自分の中でも印象に残る話になりました。


長々とあとがきまで読んで下さりありがとうございました。
この話が面白かったと思って頂ければ幸いです。


07.09.29
背岡 みちよ



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